case study

スマートドライブ

スマートドライブ logo

データを共通言語にー3部門横断の取り組みに成功、組織も変革

スマートドライブ at a Glance

Region

APAC

The Challenge

ユーザーデータのサイロ化、問い合わせの増加、オンボーディング効率、解約防止

Pendo’ing it

ユーザー行動を多角的に把握しガイドを活用

The Results

オンボーディング工数を60%削減、問い合わせ件数・対応時間の削減、アップセル受注金額の増加


移動データを扱うモビリティSaaS企業


 スマートドライブは、移動データのプラットフォームを提供するモビリティSaaS企業だ。「移動の進化を後押しする」をビジョンに掲げて創業、現在は自動車メーカー向けのアセットオーナー事業、社用車をもつ企業向けのフリートオペレーター事業と大きく2軸で展開している。


 Pendoを導入したのは、フリートオペレーター事業の中心となっている車両管理サービス「SmartDrive Fleet」だ。SaaS形式で提供するサービスで、車両に取り付けたデバイスなどから走行データをリアルタイムで収集し、安全運転管理やアルコールチェック対応、法令に関わる帳票管理などを支援する。管理者向けのWebアプリケーションと、ドライバーが日報入力などに使うモバイルアプリがあり、導入企業数は2,000社を超えた。



横断的組織文化が引き寄せた、3部門の悩みの共通項


 プロダクトマネージャーとしてプロダクト全体を統括する塩尻晋也氏は、SmartDrive FleetでPendo導入に至る背景について、「お客様の利用実態が数字で把握しきれていないという課題感が、以前からありました」と振り返る。特に、Webとモバイルアプリでユーザーデータをとるためのツールがバラバラだったため、同じ指標でも集計方法が異なり、横断的な比較分析ができなかった。新たなデータを取得しようとするたびにエンジニアへの依頼が必要で、本番環境に反映されるまでに2週間以上かかることも珍しくなかった。


 同じ頃、カスタマーサクセス、そして顧客からの問い合わせに応じるカスタマーケアの各チームも、それぞれ異なる悩みを抱えていた。


 カスタマーサクセス(CS)は、新規顧客のオンボーディングのコスト効率に頭を悩ませていた。導入企業が2,000社を超える中、1社あたりのオンボーディングにかかる時間は約2時間を要していた。「オンボーディングの工数と時間をなんとか合理化できないだろうか、と考え始めていました」とCSチームを率いる部長の井出匠氏は当時の課題を説明する。


 カスタマーケアチームは、当時限られた人数で2,000社超の問い合わせに対応していた。サービスの成長とともに問い合わせ件数は増加の一途をたどっており、「このまま人力で対応し続けることに課題を感じつつありました。問い合わせ対応の時間を減らすこと、そして問い合わせの発生そのものを抑えたいと考えていました」とケアチームの水野沙也花氏は語る。


 3部門がそれぞれ抱えていた悩みが一つにつながったのは、横断ミーティングがきっかけだった。プロダクトとCS両組織を見ていた塩尻氏には、各チームの声が自然と集まってきた。「CSからオンボーディングのツールを探しているという話を聞き、ケアチームからも同じような課題があると聞いていました。自分自身もプロダクト側で同じ悩みを抱えていたので、これは一つのツールでまとめて解決できるのではと直感で思いました」と塩尻氏は振り返る。 


 こうして3部門合同でのツール選定がスタートした。



現場が主導した選定プロセスと、Pendoへの共感

 

 最初に動いたのはカスタマーケアの水野氏だった。実は別のデジタルアダプションツールを導入していたが、十分に活用できていなかった。「以前のツールを使いこなせなかった経験があったので、次は必ず自分で実際に触れてから判断しようと決めていました」と水野氏は当時の思いを語る。


 水野氏が自ら検索してPendoを見つけ、詳細な要件を記載した上で問い合わせフォームからデモを依頼したのもそうした姿勢の表れだ。Pendoを含む複数のツールを比較する中で特に注目したのが、ユーザー行動を多角的に把握できるデータの充実度だった。「お客様がどのような点でつまずきを感じて問い合わせに至るのか、その文脈が見える機能が欲しかったのです。その点で、他のツールにはない独自性を感じました」と話す。


 選定は3部門合同で進めた。部門の観点を盛り込んだチェックリストを共同で作成し、機能だけでなく使い勝手や運用負荷まで丁寧に確認した。特に重視したのが、実際に自分たちで操作できるトライアルの実施だ。比較検討した他のツールはトライアルができず、動画による機能説明のみだったのに対し、Pendoはすぐに実機でのトライアルを承諾した。そこから実際に検証をして、判断を固めていった。


 プロダクト側で決め手となったのは、Webとモバイルアプリをひとつのツールでカバーできることだった。「両方に対応しているツールは意外と少ない。ツールが別々では比較分析ができなくなってしまいます」と塩尻氏は語る。プロダクトを実際に触る中で感じたPendoの設計思想への共感も後押しとなった。「例えばPendoも今後、新機能が拡張されていくと思いますが、それを想定した作りになっていると感じました。本当によいプロダクトだと思います」。


 このようにして、2024年5月に最初の問い合わせから検証を経て、10月には正式契約。経営陣への稟議では、オンボーディングの時間短縮と問い合わせ削減によるコスト削減効果を試算し、月額コストの範囲内でペイできることを示した。



Pendoをデータ基盤として使い倒す

 

 スマートドライブのPendo活用は、一般的な導入事例の枠を超える。同社にとってPendoは、ガイドや分析ツールである以上に、社内データ基盤の一角を担う存在なのだ。


 カスタマーケアチームは、ユーザー行動を把握できるPendoの仕組みを活用し、問い合わせの背景にある操作状況を正確に捉えられるようになった。「問い合わせ対応時の、カスタマーケアチーム内での原因調査の精度が向上しました。結果として、開発チームへのエスカレーションも削減できています」と水野氏は手応えを語る。

 

 また、問い合わせ対応に使うシステムとPendoを連携させ、チケットを開いたままユーザーの行動を"1クリック"で確認できる仕組みも整備した。この活用方法は、国内でも先進的な取り組みだ。


 プロダクト側では契約情報を管理するSFAとPendoを双方向に連携させることで、Pendo上でユーザーの行動データを確認する際に担当CSの情報も参照でき、逆にSFA側でも各顧客の利用状況が把握できるようになった。さらに、PendoのAPIを活用して行動データを社内のデータ蓄積基盤に連携させ、BIツールによるレポート作成やマーケティングオートメーションツールとの統合も進めている。


 「契約情報と行動データを掛け合わせて、活用が十分に進んでいないお客様を特定したり、アップセルの優先順位をつけたりすることができるようになりました」と塩尻氏。


 Pendoを起点に、データが社内を流通する仕組みが整った。

 


データが成果を生み、組織までも変えた


 導入から約1年、各部門で具体的な成果が出始めている。


 カスタマーサクセスでは、Pendoツールチップとガイドを活用したオンボーディング支援に取り組んだ。その結果、SMB領域では全担当社のうち60%をセルフオンボーディングへ移行させることに成功し、対応時間を大幅に削減することができた。生まれたリソースをハイタッチ支援に割り振ったことで、アップセルの受注金額も増加している。「1名分の工数をより付加価値の高い活動にシフトできました」と井出氏は語る。


 カスタマーケアチームでは、各機能ページにツールチップを設置し、ヘルプサイトへの導線を整備した。アンケートで「ヘルプ情報を探しにくい」という声も寄せられたアルコールチェック関連では、専用のFAQ誘導ボタンを追加した結果、その機能に関する問い合わせが約20%減少した。「契約者数が増えているにもかかわらず、問い合わせ件数を前年比で抑えられています」と水野氏は成果を語る。


 プロダクト側では、データ取得のスピードが大きく変わった。以前はエンジニアに依頼してから本番反映まで2週間以上かかっていたが、今はPendoの画面上で設定すれば翌日にはBIツールのレポート反映が可能になる。「知りたいと思った瞬間に動けるようになりました。後から計測項目を追加しても、(Pendoの遡求データの仕組みにより)Pendoの導入時点までさかのぼってデータを取得できるため、思い立った時点からすぐに分析を始められます」と塩尻氏は語る。


 またNPS機能の活用によって、これまで接点のなかったドライバー層の声が初めて可視化された。車両管理者のNPSスコアとドライバーのNPSスコアの間に約50ポイントの差があることが判明。「想像はしていたが、数値で初めて確認できました。これを起点に、何を改善すべきかを議論できるようになります」と塩尻氏は語る。


 このように各部署が成果とともに取り組みを進めていくうちに、新しい役職が生まれた。データ分析を軸にプロダクトチームとビジネスチームをつなぐハブ役を担うという役割で、塩尻氏が率いるプロダクトマネジメント本部の下に設置された。選ばれたのは、それまでカスタマーケアチームでリーダーを務めていた島友美氏。この人選について塩尻氏はこう語る。「データを見るだけの人はいくらでもいます。ただ、データだけを出しても意味がなく、そこに顧客視点が掛け合わさって初めて価値が生まれます。ケアチームで長く経験を積んだ島さんの知見こそが必要でした」。


 現場で培った顧客理解と、Pendoを通じて得られる行動データを組み合わせることで、「お客様がどう使っているか」をより精緻に把握できる体制を目指している。


 島氏自身はこう語る。「以前はお客様から質問が来て答えるのが仕事でしたが、今は自分からデータの中に入って答えを探しに行く必要があります。まだ試行錯誤の部分も多いですが、見えていなかったものが見えてくる面白さを感じています」。


 こうした横断的な取り組みは社内でも高く評価された。Pendo導入から約4ヶ月後、Pendo導入を推進した3部門横断チームが社内MVP賞を受賞した。「成果をきちんと社内で認知してもらえたことが、次の取り組みへの後押しになりました」と塩尻氏は振り返る。



プロダクトを超えて広がるPendoの活用


 成果を実感した今、スマートドライブのPendo活用は次のフェーズへと向かっている。


 ひとつは、他社ブランドでホワイトラベル提供している車両管理サービスへの展開だ。スマートドライブは自社サービスの基盤を他社に提供しており、そのOEM先へのPendo導入準備も進んでいる。「各OEM先でもPendoを活用することで、それぞれのサービスに合った施策が打てるようになります。良いサイクルが生まれると期待しています」と塩尻氏は語る。


 さらに、フリートオペレーター向けの新プロダクトや、カメラとAIを組み合わせてタイヤを取り外さずにブレーキパッドの残量を計測できる新サービスにも、Pendoの導入を予定している。「すべてのプロダクトにPendoを導入したいと考えています。プロダクトごとにツールが異なると比較ができなくなる。データの共通言語を社内で統一してこそ、横断的な分析や改善が可能になります」と塩尻氏は意図を説明する。


 このほか、カスタマーサクセスでは、Pendoのデータを活用し、利用状況に応じたユーザー通知や社内アラートを届ける仕組みの構築を目指している。「アルコールチェックの実施率が低いお客様に対して、リスクへの気づきをサービス上で促したり、セミナーへ誘導したりすることで、利用継続とアップセルの両方を支援できると考えています」と井出氏は展望を語る。



Pendoを使いこなす、成功の条件


 Pendoの活用が広がりと奥行きの両面で進んだ背景には、どのような要因があるのだろう。同じ課題に向き合う組織へのメッセージとともに、各メンバーは次のように振り返った。


 CSの井出氏は、前提条件としての組織の熱量と文化を挙げる。「活用余地の広いツールだからこそ、使い続けるための熱量が必要です。データを見てアクションする姿勢がチームに根付いていないと、形骸化しやすくなります。現場の知識とデータを組み合わせる土壌があってこそ、Pendoは力を発揮します」と語る。


 Pendo導入で重要な役割を果たした水野氏は、準備の大切さを強調した。「導入して終わりではないからこそ、入れた先にどういう世界を描きたいかを明確にした上でトライアルに臨むことが大切。ふんわりとした期待値で始めると、使いこなせずに終わってしまうリスクがあります」。


 塩尻氏は、ガバナンス設計の重要性を指摘する。「Pendoは自由度が高い分、設計なしに使い始めるとカオスになってしまいます。メタデータの設計、ガイドのテストプロセス、セグメントの承認フローなど、ルールを丁寧に決めておくことが重要」とアドバイスする。「いいツールも使いようで大きく変わりますから」と続けた。


 島氏は横断的な協力体制の重要性を挙げ、「3部門がそれぞれ予算を持ち寄り、共同でツールを導入したからこそ、ここまで活用が広がりました」と振り返る。「データを共通言語にすることで、議論の中心が自然とお客様のことに向いていく——それがこの取り組みの一番の収穫でした」。

Platform

  • Guides
  • Session Replay
  • NPS
  • Listen
  • Feedback
  • Validate
  • Roadmaps
  • Orchestrate
  • Data Sync
  • Mobile
  • Integrations
  • Pendo AI

Solutions

Resources

Pricing

See Pendo in action for yourself

Get a Demo
Get a Demo